初めから上手く叱るなんて無理

ご無沙汰しております。吉田です。

先日ある団体で、管理者対象の研修を担当させていただきました。
研修の中で「叱る」ことについて話す時間があり、
部下を叱る際は人前で叱るよりも個別に叱る方が良いとお伝えし
なぜそうすべきかについて事例を交えながら解説させていただきました。

研修後、参加された方から、叱ることについてご意見をいただきました。
「個別で叱ることも大事ですが、状況にもよりますよね」
とのことでしたので、私もそう思いますとお伝えしました。

叱る際のポイントはいくつかありますし、研修ではそれをお伝えしています。
しかし、そのポイントも万能ではなく、どんな場面でも当てはまるわけではありません。
つまり状況や相手を考えて柔軟に、そして適切に判断することが大事ということです。

しかし「柔軟に」「適切に」等と都合の良い言葉を並べると
どのように判断すれば良いのでしょうか…という声が聞こえてきそうですが、
実際のところ経験がものを言います。
ここで言う経験とは失敗した経験のことです。

私も「叱る」ということについては沢山失敗しています。
厳しく叱るのが嫌で優しく叱ったら甘く見られたり、
先輩から後輩をきつく叱るよう言われ、その通り行なったら後輩のやる気を削いでしまったり、
本人のためと思って厳しく叱ったら「心が折れました」と言われたり、色々です。
その都度、振り返りをし、何が悪かったのかどうすれば良かったのか反省しましたが、
そのような経験を通して、叱る人の気持ちが理解できたり、
相手との向き合い方も少しずつ学んできました。

最近はパワハラを恐れて部下に対し言いたいことが言えない、
叱れない、部下に迎合してしまうと言う人が増えていると聞きます。
誰でも失敗は怖いものですし、叱ることで嫌われたり、
職場の雰囲気が悪くなるのは避けたいものです。
しかし、もし自分が叱らなかったことで大きな問題や事件が起きたとなれば、
必ず後悔することになるでしょう。
だからこそ、人の上に立つ人は叱り方も含め伝え方を学んでおく必要があると思います。

叱ること、叱れられたことについて職場やお客様のところで話をすると
「褒められたことより叱られたことの方が記憶に残っている」
「叱られたことの方がより学びや気づきが大きい」
という声も案外多く聞かれます。
どうしても叱るのが苦手という人は、叱ること自体に囚われるのではなく、
これを伝えないと相手、或いは周りにどんな不利益があるのかを考えてみて欲しいと思います。
案外そう考えると伝えられるものです。

それでは、また。