熱視線

こんばんは、吉田です。

 

記録的な大雪が降った2月8日。

 

その翌日、無性に寿司が食べたくなった私は、悪路の中、隣町の寿司屋に向かいました。

 

車通りの多い国道4号ですら、沢山の雪が残っており、走る車はノロノロ運転。

 

踏み固められた雪が段差となり、その段差にタイヤが乗ろうものなら、思わぬ方向に車が振られる危険な状態でした。

 

安全面から考えれば引き返した方が良いかとも思いましたが、寿司に対する執着心が弱い気持ちを打ち消しました。

 

隣町に入ると、融雪剤を蒔いたのか、道路の表面が見え、走りやすくなっていました。

 

しかし、雪のためか普段は営業している飲食店が休みになっていたり、営業していても駐車場に雪が残っており、入るだけでも苦労しそうなところが多くありました。

 

目的の寿司屋は営業しているのだろうか・・・と一抹の不安を抱えながら車を走らせました。

 

漸く、目的の寿司屋に近づき、営業しているか見てみると、寿司屋の看板が光っており一安心。

 

ふと寿司屋の駐車場に目をやると、そこには驚きの光景が!

 

「ゆ、雪が・・・ない!?」

 

昨日大雪が降ったことが噓だったかのように、駐車場にはほとんど雪がありませんでした。

 

残念ながら雪のせいもあって、昼時にも関わらずお客さんの車は多くありませんでしたが、働いている方々が朝早く来てお客さんが入りやすいようにと、気合いを入れて雪かきしたのではないかと思うと、感激せずにはいられませんでした。

 

入店すると、いつもの1.5倍くらいの声で、

 

「いらっしゃいませ!!!」

 

と勢いよく迎えられ、自然とこちらの気分も高まります。

 

(今日は食べるぞー!)私も心の中で気合いを入れ、何を注文するかメニューを見ました。

 

すると、今までに感じたことの無いような視線を感じるのです。

 

(今日は何を注文するんだい?何でも握ってやるぜ!)

 

(今日のオススメは金目鯛だぜ、ホタテも良いぜ!)

 

(迷いは禁物だぜ、全部ウマいぜ!)

 

それは寿司職人から放たれる想いのこもった熱視線!

 

雪かきもやった、仕込みも終わっている、あとは注文されたものを握るだけという完全な臨戦態勢。

 

私は、そんな寿司職人の心意気を感じ、熱い視線を浴びながら、いつもより高額なネタを多く頼んでしまったのでした。

 

食事後、帰りの車の中で一緒に行った妻に、

 

「今日の職人さんの目力すごかったね。」と話すと、

 

「そんなに見てなかったと思うけど。」とのこと。

 

あれは私の妄想だったのだろうか・・・

 

駐車場にあるはずの雪がなかったという驚きが、私の想像力を膨らませたのかもしれません。

 

いい仕事してますね~。

 

それでは、また。