こんばんは。吉田です。
高校野球では大阪桐蔭が優勝し、いよいよ夏も終わろうとしています。
皆さんはこの夏いかがお過ごしでしたか?
私はこの夏、職場の仲間達と富士登山に行って来ました。
「日本人なら一度は日本一の富士山に登ってみたい!」
そんな思いもあり、事前準備もしっかり行い、いざ富士山へ。
ハイシーズンということもあり登山者も多く、6合目から7合目辺りは長蛇の列となり思うように進むことが出来ませんでしたが、進むのが遅い分、高山病に悩まされることはありませんでした。
宿泊予定となっていた本8合目の山小屋に到着したのは、夜の8時と予想よりも遅くなってしまいましたが無事に到着し一安心。
しかし、ここからが過酷でした。
山小屋の宿泊場所には、マットレスと寝袋、毛布が隙間無く敷かれており、利用者全員が雑魚寝するスタイル。
一人のスペースは決まっており、足を伸ばすことは出来るものの、横幅が80センチくらいしか取れないため、ツタンカーメンの棺のようにお行儀良くしていないと、他の人に迷惑が掛かるという非常にストレスフルな状態でした。
疲れているから眠れるだろうと高を括っていましたが、思いの外周りの人の寝息や鼾、何かを探しているような「ガサガサ、ゴソゴソ」という音が、耳に入って来てなかなか眠れず。
仕舞いには隣の全く知らない人から寝返りを打たれ、肘で脇腹をグリグリされるなど、普段では体験できないことが次から次へと襲ってきました。
しかし、気がつくと眠っていたようで、時計を見ると起床予定時間の1時間前。
もう少し眠ろうと思った瞬間、頭に鈍い痛みを感じました。
眠っている間、呼吸が浅くなったためか、高山病のような症状が出てきたのです。
耐えられないほどの痛みではありませんでしたが、私を不安にさせるには充分でした。
起床予定時間よりも早く起きたメンバーが、山小屋の人から情報を収集してきました。
情報によると風が強く、ツアー参加者はほとんどが登頂を断念したということでした。
私たちも進むべきか、留まるべきかを話し合いました。
メンバー全員が登山初心者ということもあり、危険を冒したくないという考えはあったと思います。
強風でメンバーが飛ばされたらどうする?
膝をいためているメンバーが動けなくなったらどうする?
高山病の症状がひどくなったらどうする?
誰もがそのような不安を抱えていたと思います。
そのため、1時間ほど様子を見て、強風がおさまらないようであれば登頂は諦めるということになりました。
私個人としては、頂上に登りたいという気持ちはありました。
しかし、自分の意見がメンバーを危険にさらしてしまうのではと思い、結局言い出すことが出来ませんでした。
その後、1時間様子を見ましたが、強風はおさまらず、結果本8合目で朝日を見ることになりました。
雲海から上ってくる朝日は、言葉に表せないほど本当に素晴らしいものでした。
しかし、登頂できなかったことが本当に残念で、残念で、残念で、言葉に表せないほど残念でした。
その後無事下山することができ、帰りの新幹線の中で富士登山の感想をそれぞれのメンバーが話しました。
私は、富士山の頂上まで行くことが出来なかった事が本当に残念だったと話し、山小屋で話し合いをした時に、「頂上を目指しましょう」と言えなかったことを後悔していると伝えました。
そして、改めてメンバー全員に本当のところ登頂したかったどうか尋ねると、全員が登頂したかったということでした。
もしかしたら、私が「登りましょう」と言っていれば、結果が変わっていたのかもしれません。
私は、自分の意見を言わないことは罪だと理解しました。
却下されても良い、文句を言われても良い、馬鹿にされても良い、笑われても良い、
言わずに後悔するよりも、言って後悔する方が良いと、今は思います。
自分の人生、一度きりの人生、同じ時間を共有する人、二度とない瞬間を、悔いなく生きよう・・・
今、そう思います。
それでは、また。